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<報告> 6月10日発 釜石への週末ボランティアツアー

6月10日発で実施されました岩手県釜石への週末ボランティアツアーのご報告です。以下、長くなりますがおつきあいください。

1.ツアー概要
6月10日(苫小牧港発)ー13日(苫小牧港着)の日程で、NPO法人ねおすとむすびばの共同企画によるボランティアツアーが実施されました。参加者は19名(うち2名が添乗スタッフ)。内訳は、学生が12名、社会人7名です。行き先は遠野から車で約1時間のところにある沿岸部の釜石市です。共に被害の甚大であった大槌町へは車で40分程度です。

NPO法人ねおすでは、橋野地区にボランティアセンターを立ち上げています。
ここは、廃園となったへき地保育園の跡地を利用しており、ねおすスタッフや長期ボランティアが宿泊をしています。今回のボランティアツアーの参加者は、ここの近くにある橋野地区集会場に泊まりました。風呂はなく畳の部屋に寝袋で寝ます。ご飯は地元のお母さん達がわざわざ来てくださり作ってくださいました。郷土料理の『ひっつみ汁(すいとん汁)』など、本当に美味しいご飯をいただきました。また、様々な面で地元の方々には大変お世話になり、心から感謝をしています。

2.根浜(ねばま)地区でのボランティア活動
ボランティア作業は2日間でした。両日とも、根浜(ねばま)地区のがれき撤去・清掃を行いました。

(1)根浜地区について
1日目は根浜海岸の清掃です。根浜海岸は広く美しいビーチが広がっており、毎年トライアスロンの大会が行われていました。現在は大津波により砂がかなり流され、砂浜は3、4mもなくビーチは消失しています。

2日目は海辺に広がる根浜の集落で作業でした。根浜の集落には、60戸の家々が立ち並び約100名の住民が手を取りあって暮らしていました。海と山に囲まれ、畑が広がり、群生するハマナスが咲き乱れる美しい場所です。産業は、わかめや貝などの養殖をはじめとする漁業、林業、畑作が中心です。

今回の大津波は集落を全て飲み込み、60戸の家全てが倒壊しました。大切な生活の糧である畑も、養殖場も、船も、山の木々も壊滅的な被害を受けました。ハマナスも全て倒されました。震災により15名の方々が亡くなられたり行方不明となっています。子どもの頃からずっと手を取りあって支え合ってきた根浜の人びとは、美しいふるさとを失いました。

(2)がれき撤去の様子
「美しい根浜の風景とビーチを取り戻したい」。海辺の宿『宝来館(ほうらいかん)』の女将さんや根浜の地区長さんをはじめとする地元の方々の呼びかけで、約5団体から総勢130名があつまり、根浜地区の清掃活動を行ないました。

全壊した地区には、まずショベルカーなどの重機が入ります。でも重機で本当に大きなもの(屋根まるごと、カベ一面、車、など)を撤去した後は、人間が撤去を来ないます。2,3人がかりでないと運べないような柱や屋根の一部を含め、大部分の漂流物は人間の手で拾い集めなければいけません(土中に埋まっている物も多い)。

足下には体積した泥が広がり、そこに何本も釘のつき出た板や、ガラス、トタン、金属が山積しています。もしもあの場所で転倒などしたら、大きな怪我を負う可能性が高いでしょう。実際、ボランティアが釘を足で踏み抜くなどの怪我も多く、また破傷風も発生しています(社会福祉協議会、国立感染研究所、報告)。

そんな中、半日もくもくとがれき撤去を行なうと、かなり汗だくになります。このときは、130名での大清掃でした。しかし作業が終わっても、まだまだ見渡す限り漂流物が散乱している状態でした。正直、あと何百人が何十日間やればきれいになるのか見当がつきません。

(3)ボランティアツアーの感想
「自分の目で見て、聞いたことを、札幌に帰ったらまわりに伝えたい」。これが、ツアー参加者からの感想で一番多いものでした。

全ての震災支援について言えることですが、まず被災者の声とニーズがあって、そこに対して適切な支援をしていくことが求められます。例え短い滞在でも、実際に自分の目で見て、地元の方とお話することで、「釜石の人たちのために何ができるか、すべきか」を親身に考えることができます。私自身、釜石がとっても好きになりました。地元のお母さん、子どもたちとおしゃべりすると、また会いに行きたくなります。

そして「あの人のふるさとを一緒にとりもどすお手伝いができるとうれしい」と、顔を思い浮かべながら考えるようになりました。そういう意味で、被災地に行ける方はぜひ1度でも足を運んでみてほしいと思います。また、様々な事情で行けない方も当然いますから、現地ボランティア報告会などに足を運んだり、自分でボラ体験者をまねいて学習会をするなど、被災地の現実と声を聴ける機会をもっていただけたらと思います。

3.子ども・女性・若者を応援したい
(1)「ダイジプロジェクト」について
私は大学で主に保育所などの幼い子どもの生活環境(安全や保育環境)について学んでいます。また自分自身が3人娘の母親ということもあって、被災地支援においても特に子ども・女性・若者の支援に関心があります。このため、「無くても生きていけるけどダイジなんだもん」を応援する活動をしています(通称「ダイジプロジェクト」)。

5月の第一回め釜石訪問では、いただいたカンパで女性支援グッズ(メイク用品など)を持参しました。

6月の訪問でも、「若い女性を応援する」物資とカンパの呼びかけをさせていただき、たくさんの方から物資とカンパをいただきました。

(2)子ども・女性への物資提供について
NPO法人ねおすの釜石ボランティアセンターでは、「青空フリーマーケット」と題して物資を並べ、避難所や近隣住民の方々に提供をしています(店も閉まっていて買い物に行きにくい)。物資は、夏服から化粧品、また割烹着、エプロン、おもちゃ、生活必需品などなど集まっており、それらはボランティアセンターにある畳2畳ほどの物置場に保管されています。

朝9時から、ボランティアスタッフが物資を園庭のテントにきれいに並べはじめ、15時ころまで店番(?)をします。そして夕方になるとスタッフがまた、物資を倉庫にもどします。

(3)問題点:スタッフ体制、物資保管場所
物資提供において大きく2つの問題点があります。

1つめは、物資の保管場所の狭さです。畳2枚分の物資置き場はすでに満杯で、仕分け作業も80cmほどの狭い空間で行なわなければなりません。

2つめは、作業人員の不足です。スタッフ体制ですが常時4,5名いればよいほうです。常駐要員として柏崎さんというスタッフが1名いますが、あとは全員ボランティアか、単発で札幌から来るNPO法人ねおすのスタッフです。

ねおすでは、青空フリーマーケットの他に、学童保育や子どもの遊びプログラム、がれき撤去、地元のイベントなどの手伝い、漁師さんたちの支援、などの支援活動を展開しており、慢性的に人手が足りません。2回目の訪問で率直に感じたのは、物資の不足というより、作業に専念できる人手の不足です。ものやお金だけを送っても、それを被災者の方々に届ける作業をできる人手が足りません。

(4)子ども支援・カンパの使い道
こうした問題点を踏まえ、いただいたカンパの使い道を模索しているところです(物資はすでに届け済み)。カンパをいただいた方々にはすでに直接ご相談をさせていただいています。ねおすの現地スタッフの方に「必要なものを地元の人たちから聞いてくれたら購入します。とにかく女性と子ども、若者をサポートするためにどうお金を使えるかを教えてほしい」とお願いしています。今、考えているのが、夏に向けて子どもたちの生活を豊かにするためのグッズ購入です。具体的には以下のような用途を考えています。
・子どもの浴衣
・子どもの水着
・ビニールプール(子どもたちの水遊び用)
・ビーチパラソル(子どもの保護者が近くで涼むため)
この他にも学習支援や、夏祭りなどのイベント開催費用などが考えられます。ねおすスタッフの中村さん達と相談の上、地元のニーズに則した使い方をしたいと思います。用途が確定し次第、またご報告をさせていただきます。

4.今後の予定
7月29日に釜石へ3回目訪問をする予定です。そのときに合わせて以下の物資を集めたいと思っています。
・子ども用浴衣(80~150cm)
・子ども用水着(80~150cm)

 

東日本大震災市民支援ネットワーク・札幌むすびば
運営委員

明田川 知美(あけたがわ ともみ)