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現地レポート~図書センター立ち上げ~ 石巻

レポート:明田川 知美さん

場  所:宮城県石巻市
報告日:9月29日
(本記事において、10/8まで、活動場所を宮城県石巻市とすべきことを、岩手県釜石市と誤って記載していた部分がございました。お詫びして訂正いたします。文責:安倍)

9月22日から27日まで、宮城県石巻市において、図書センター立ち上げのボランティア活動に参加してきました。その活動報告をさせていただきます。

<活動の様子>
9月22日から27日まで、自分の自家用車に他のボランティアを乗せ、宮城県石巻市(河北地区)を訪れました。目的は、北海道ブックシェアリングのメンバー3名と共に、地域の図書センターを立ち上げるためです。4畳半ほどの広さのログハウスを3棟建設し、ここをセンターとして使用します。
図書センターは旧河北地区という場所に建設しましたが、この地域には図書館がありません。また、図書館のある地域でも多量の本が流されてしまいました。学校の図書は自治体が費用負担をしますから、震災復興のために図書の予算が削られる可能性が高く、子どもたちの図書空間の保証が大きな課題です。
ですから、図書センターを拠点として、県内の保育所や学校へ図書を運ぶ活動をこれから1年間続けます。また、近隣住民の図書室としても利用いただけます。
活動工程としては、まず札幌から本を200箱(約7000冊)積み込み石巻まで運びました。また、室蘭から4畳半ほどの広さのログハウス3棟分の材料(約3トン)をトラックに積み運びました。現地では、木材の積み込み&荷卸しから始まり、土台も壁も屋根もぜんぶ自分たちで組み立てます。室蘭にあるサンパックスというログハウス会社さんに全面協力をいただき、社長が同行して現地で組立の指揮をとってくださいました。
札幌からのメンバーは5人でしたが、2日目と3日目は地元と関東方面から若者ボランティアさんが10名ほど来てくださり、若い力に大いに助けられました。多くは東京大学と早稲田大学の学生達でしたが、非常に効率良く手早く作業をしてくれました。こうした頭脳の使い方は、本当にすばらしい!と思いました。若者ボランティアさんの仲介をしてくれたのは、石巻でボランティアコーディネートの活動をする20代の若者たちです。地元の志高い若者達の活躍を、今後も応援していきたいと思います。
また、地元の住民のみなさまには多大なご協力をいただきました。石巻は合併して大きくなったまちですが、ログハウスを建てたのは旧河北地区です。
この地域の方々のご協力とご理解なくして、今回の図書センター開設はありえませんでした。農業委員会長さん、行政区長さん、市議会議員さん、地主さん、道の駅の駅長さん、ご近所のみなさん方が、ほんとうに温かく、かつ力づよく活動を支えてくださっています。地域全体として、「復興のためにこの図書センターをぜひとも活かしたい」と期待を寄せてくださっていました。
滞在中は天候に恵まれ、晴天の中でログハウスの建築ができました。宿泊は近所に住む農業委員会長さんがご好意で化してくださったカラテ道場です(寝袋にて)。明け方は、放射冷却の影響で13度近くまで冷え込み、毎日5時には震えて起きていました。そんな中、ご近所の方が心配して灯油ストーブをくださったり、工具を貸してくださったりして、地域の方々との交流を持つことができました。
最終日には、札幌に帰る2時間前になってようやくログハウスが完成しました。地元の業者さんにご協力いただき、電気も水道も通りました。正式オープンは10月1日で、地域のみなさんをお招きしてオープニングセレモニーが行われる予定です。
<感想>
今回の心残りは、大川小学校を訪れることができなかったことです。本当は大川小学校で献花をさせていただき、その周辺の様子を見る予定でした。しかし、9月22日の台風15号の被害により、石巻市釜谷地区はほぼ全域が浸水しました。大川小学校周辺は、建物の2階近くまで水没し、道路は完全閉鎖となりました。3月の大地震による地盤沈下や液状化の影響もあり、26日の札幌に経つ時点でも大川小学校周辺は水がひきませんでした。とても残念なことに、釜谷地区は今後も水害に耐えることが難しいのではないかと考えられます。
こうした事情により、実は今回ほぼ宮城県内の被災状況をみてまわることができませんでした。ログハウスの建設にかなり時間がとられたこともあります(早朝6時から日没までほぼ休みなくの作業でした)。広域な現地報告ができず申しわけありません。
また、このような状況の中、行政の復興計画がまだ完全に出ていないことも、住民のみなさんにとって心配の種です。電気の配線工事をしてくださったNさんは、昔から石巻に住んでいます。しかし、自宅の1階部分は津波で水没し、居住できる状態ではなくなりました。修理をしようにも、「行政側の計画がかたまらないから修理も引っ越しもできない」とのことです。
「石巻は本当にいいところですね」と言うと、Nさんは嬉しそうに笑った後「でも、津波がきますからね」と、寂しそうに顔を伏せました。”防災につよいまちづくり”だけをめざすなら、自治体ごと高台に移転させることも合理的な判断だと思います。でも、そこに暮らす人びとにとって「わたしのふるさとはココなの。いいところでしょ」と、笑顔で言うことができるような、そういう”まちづくり”を考えるとき、機能移転という手段を手放しでイイねということは、やはりできない。そう思わされました。
石巻専修大学にあるボランティアセンターも訪れました。閉鎖が決まっているテント村には、それでもまだ約40ほどのテントがありました。今後、本格的な冬をむかえ、地元外からのボランティアの受入れ体制をどのように整えていくか、が課題です。
*北海道ブックシェアリングのHP
(図書センターを運営するボランティアさんを随時募集しています)
http://bookshare.web.fc2.com/
明田川 知美 (あけたがわ ともみ)